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早春も、京都 ~金地院 「鶴亀の庭」「八窓席」

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南禅寺塔頭 金地院 鶴亀(かくき)の庭園  庭の前面に広がる白砂は宝船を、また海洋を表す と。 白川の砂に、陽射しを受けて光る雲母が また美しい景色でした。 作庭 小堀遠州。





「桃山時代の風格を備えた江戸初期の代表的枯山水にして、古来名声高き庭園である。その広さに於いて、又その豪壮なる意匠に於いていつの時代にも人々の心に迫るものがある。」金地院沿革、より。
この白砂の大海を前に おそらく一日中でも、縁側に座っていたくなる。おおらかで、のびやか。


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そして、ご覧のとおり、ほぼ 常緑樹。これを永遠ととらえるか、単調と、とらえるかは それぞれの解釈、というところでしょうが。 周辺南禅寺、永観堂界隈 もみじの名所でもありますけれど 常緑できめこんだこちらのお庭もまた、別の意味で印象的でありました。不老長寿と子孫繁栄・祝儀の庭。 中央には 三尊石、かたや(右手)鶴の石、 こなた(左手)亀の石。



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特に、鶴の石。くちばしのように見える石をさがしてきたというのも粋。そして、左手の長方形の見事な平面石は東照宮の遥拝石とか。



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「蓬莱石組の背景、大刈込は 幾重にも折りかさなる山々で、深山幽谷を現す。」


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鶴亀の庭を眺めている縁側は、金地院・方丈(重要文化財)。方丈、八窓席は予約にて見学が可能です。



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(ここからは、撮影禁止。荷物もロッカーへ。)



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襖絵・狩野尚信、「布金道場」と大書した額・山岡鉄舟、 そして、拝見したかったのが 長谷川等伯の 「猿猴捉月図 老松」  ちょうど午前の良い時間。光線がほどよく畳に反射、レフ板のように。 襖絵のテナガザルの伸ばした手の先、水面に映る まんまるなお月さま。 かすかな陰影に、想像力をさらに膨らませてみる、猿猴捉月図。 とろうとするのに届かない、禅問答にもなりそうなテーマですね。 おさるさん、お顔のパーツがすべて中心。そこがまた、キュートなのです ♪ 



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茶室 八ツ窓の席も小堀遠州作、です。京都三名席の一席。六窓、なのにどうして八窓と名づけられたか。 八、という数にみえるこだわり。  床の間の造り、躙り口貴人口の様子、天井の高さの違い、障子に映る景色 等々。ご説明いただくので 見るべきポイントが絞れます。 壁面は以前、足立美術館 お茶室寿立庵で拝見したような、じゅらくかと。あれは菜種油、だったと記憶していますが、お伺いすると こちらは不明とのこと。  侘び寂びの空間をながめつつ、往時の茶会を偲ぶことができました。



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方丈に先立ち 院内にある東照宮(重要文化財)。家康の遺髪と念持仏を祀っているそうです。荘厳、渋いのひとことにつきる葵の御紋の拝殿脇には 早咲きの河津桜でしょうか。京都に遺る唯一の権現造り様式だそうです。権現造りというのははじめて拝見したかもしれません。




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こちらの天井画は狩野探幽筆の鳴龍。 三十六歌仙の額は土佐光起筆。いずれも、拝見できます。 周囲の雰囲気と相まって、独特の空間でした。 鶴亀の庭にある、遥拝石から こちらを拝むのですね。




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金地院は 湯豆腐の順正のお向かいでもありました。 今まで何度も前を通ったと思うのですが ... 「京都の名庭」でも未訪だった「鶴亀の庭」。ようやく拝見することができました。 その上、琳派や等伯の名画にも出逢えます。 時期的なこともありましょうが、本当に静かです。 方丈縁側で名庭を前に 自分と向き合える貴重な時間。



そして、そして 順正で湯豆腐。勿論、予約していました。 八窓席、と どちらを先に予約したかは ... それはやっぱり !  


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早春も、京都 ~金地院 「鶴亀の庭」「八窓席」_d0098183_13212280.jpg  ■金地院 南禅寺塔頭
  本尊 地蔵菩薩
  ← 明智門

 ◆地下鉄東西線「蹴上」駅下車、徒歩7分
 ◆市バス「南禅寺・永観堂道」下車、徒歩10分


by Jasmine_style | 2017-03-08 10:21 | 京都 | Trackback | Comments(0)

Que Sera Sera ♡ 二拠点生活の日々 備忘録として綴っております。        Hiroshima JAPAN


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