2018年 04月 23日
春、京都へ 「正伝永源院」 再会の、襖絵
建仁寺塔頭、正伝永源院。
春の特別拝観に伺いました。
池泉鑑賞式庭園は しだれ桜から青モミジの美しい季節へと。
元は「正伝院」と 細川家菩提寺「永源庵」の二か寺であり
波乱万丈の縁起から、時を経て融合。
相対し、四季折々を感じることができる植栽で
穏やかで、それは品を感じる正伝永源院。
襖絵は細川護熙氏揮毫による「四季 山水図」より。
春の宵、夏の北山杉、夜桜、霧 ... いずれも味わい深くうっとり。
...
この景色は、はじめてではないような。
えっ デジャブ?
数年前の建仁寺本坊にて。
雨の「潮音庭」。 三尊石のむこう、借景として
あちらの奥に一連の東山。この襖絵に出逢っていたのでした。(2013年5月)
あの時はお茶室で ... 偶然に細川護熙氏と同席させていただき
作陶家でもいらっしゃる 細川さんのお茶碗でいただいたお抹茶。
どんなお茶碗だったかも、思い出せないほどの大汗茶会。
あわせて『襖絵と屏風の世界』で
こちらの四季山水図が披露されていました。
奉納なさったと伺っていたので、てっきり本坊かと。わたしの勘違い。
東山の夜桜。ほのかに浮かび上がるさくら色がなんとも色気のある景色です。
春「知音」 印象的だった 引手は 調べてみましたら黒柿。
正伝永源院のパンフには
平成二十五年三月に襖絵二十四面が奉納されたということです。
「知音」と、 「秋氣」 (左端にちらりと ...)
建仁寺本坊でこの襖絵を拝見したのが、その二十五年の五月。
日記も遡れますが
ブログ、というのはこういう時にありがたいものです。
あーー、あれからもう5年も !
ちなみに 御朱印帳にもなっている 冬「聴雪」は、
どこにありますか?と伺ったら
季節によって入れ替えているので
秋の特別拝観で拝見できるかもしれない、とのこと。
夏、 滝ひとすじの涼やかさ
「渓聲 けいせい」 北山杉の木立の間を 霧が流れる情景。
さて、縁起を少し。
お寺を再興したのは
織田信長の弟、 織田有楽斎。
となれば、井上順さんの顔が浮かんでしまう。 (笑。「真田丸」
像を拝ませていただきましたが、なんとなく似ている (井上順さんが !)
ドラマを通してではありますが
処世術に長け、策士のように思ってしまっていたけれど
親族身内が敵味方に分かれ、明日をも知れぬ。
戦乱の世ですから。
風雅なお方だったのですね。
優美な林泉と茶亭「如庵」、客殿、庫裏を完成したのち
七十五年の生涯を閉じるまで、茶道三昧、悠々自適の生涯を
この寺で送ったそうです。
東側に墓所があり
織田家と、細川石に手を合わせました。
茶亭「如庵」
揮毛は 細川護貞氏
本家と瓜二つ
お庭では、ホトトギスのさえずり。
そして、
こちらは 御朱印帳が美しいのですよね ... ★
寺宝、狩野山楽の襖絵の図案。
黄金色に 輝くような光を放つ 「蓮鷺図」
細川護熙氏の「聴雪」はシルバーが素敵。
迷ったのですが、今回は「蓮鷺図」の方を選びました。
いずれも、特別拝観時でしかいただけませんが
紙質もよく、とにかく美しいのです !
ちょうど昨年の 下鴨神社でいただいた 御朱印帳がおわったばかり。
南禅寺の「群虎図・水吞の虎」と並行して、使いたいと思います。
御朱印帳は、京都のものが好き !
塔頭めぐりは、公開時期も限られますが旅の楽しみのひとつ。
襖絵の夜桜と、現実のツツジが交差する光景。
潮音庭の三尊石の借景となった 夜桜も、また同じ絵。
こうやって、書きながら記憶や写真をたどってみると
もしかしてオープンしたての平成知新館の広いホールで、
拝見したかも ...
ふたたび、この襖絵に逢えるような気がしてきました。
別の場所で。
おめにかかれるといいな。
■ 臨済宗大本山建仁寺塔頭 正伝永源院
2018年4月10日ー5月6日
春の庭園特別公開
寺宝展
つつじと春の庭園特別公開
細川護熙氏 揮毫襖絵公開
京都市東山区大和大路四条下ル4丁目小松町586
京阪「祇園四条」下車 徒歩5分