2015年 06月 18日
桂離宮 *市松模様と燈篭と
三度目の訪問の 桂離宮、市松模様にまた逢いたくて。
初回訪問は、この時 ★
今回は、苑路づたい 燈篭にスポットを当ててみます。
御幸門
上皇御一行の御幸にあたって 表門からこちらの門へ。
太い皮つき丸太(あべまき)で支えられています。
門脇の平石に 御輿を置かれたという伝承も。
御幸道
青黒い小石がまんべんなく敷き詰められ
やや中高な道中は足にやさしく 水はけも考慮されているとか。
外腰掛待合には
二重升形手水鉢と竿石いっぱい埋め込まれた石燈篭
外腰掛 「行の延段」の先に 灯された石燈篭
延段より導かれるように その先を道なりに左へ。
一番初めに出逢うキリシタン燈篭はミツバツツジの先です
視界が開け 「天橋立」 州浜
灯台のお役目は ころんとしたかわいい その名も岬燈篭
「冬」 松琴亭 遠景
こちらからの景色を いつまでも眺めていたい。
初訪問で撮った写真と ほぼ同じでおもしろいです。
二度目は歩くスピードが全体的に早くて佇むこともなかったですけれど
ほぼ同じ時期に訪れているので
枝垂れ桜も今年の方が季節がはやくすすんでいました。
2つめのキリシタン燈篭は 州浜の先
ふくらみ部分にはラテン語で
「御子よ、キリストよ」の意で彫られた記号だそうで
竿石にもお姿が彫られているのが拝見できます。
松琴亭に向かう石橋の先にある 石燈篭
よい表情で、苔むした帽子が粋ですねー
松琴亭でひとやすみ
おくどさんの縁側にゆったりと座ったのは今回初めて。
今でいうところのキッチンが お庭をのぞむ一番よいところに。
市松模様と狩野探幽をこんなに身近にも感じられるなんて !
亀さん、甲羅干し。 菖蒲のあちら側もキリシタン燈篭ですね。
松琴亭前庭には もう1基、みられました。
賞花亭(右奥にみえます)へ向かう螢谷の途中
水蛍燈篭 あかりが灯ると
まるで蛍がちらちらと舞うかのような、なんと風雅な。
「春」 賞花亭 遠景 完全に避暑の佇まい
夏かと思っていましたら 春、でした。
左手下ったところに5基めのキリシタン燈篭がみえます
離宮が一望できる腰掛に座ると 風が通り抜けていきました
賞花亭前の鉄鉢形の手水鉢 先導は今回の御案内の方
ゆったりと歩いてくださって 助かりました。
園林堂
一対の堂々たる燈篭の銘は「再輝」
「夏」 笑意軒
桜やあおもみじ、ここからの景色はのどかです
舟着き場の三光燈篭と仲良く泳ぐ2羽
雪見燈篭 梅馬場の苑路脇、逸品と称されます
三角燈篭 火袋も脚もすべて三角形が目をひきました
障子の向こうの景色を取りこみ 額縁の絵のよう。
室内、腰壁貼付は キレっキレの ビロード&金箔の意匠 ★
写真にはよく写っていませんが
櫂の引手があれば こちらは矢形引手
雁行形の書院 先を進みながら右手を ...
松の根元に キリシタン燈篭。
こちらは前回はよく見えましたが
植え込みが繁っていると 通り過ぎてしまいそうです。
実際、とおりすぎました
「秋」 月波楼より 松琴亭をのぞむ
池に映る月を賞するための茶亭。
ちょうど2つの茶亭が池を挟んで相対し、
月波楼は 「秋」の性格
松琴亭は 「冬」 の性格を表すと ...
窓の外には 紅葉の馬場
秋の襖絵に 杼形引手(ひがたひきて)
ひがたとは 織物を織る際、経糸を通す道具だそうです
古書院御輿寄
6つの沓脱を照らすように立つのは キリシタン燈篭。
7基目、です。
竿の部分にわずかに彫りの表情がみえますね。
関守石ぎりぎりまで おじゃまいたしました。
こうやって拝見してみると 燈篭は道しるべ。
行く先々 道先案内人のように。
形も色々で奥が深い。 本当におもしろいと思います。
灯った様子までうかぶようで。
敷石の形 襖の柄 引手 おくどさん
一木一草、燈篭に映える苔の情景まで
懐かしい場所に帰ってきたかのようでした。
初訪問はそれだけで感動、とにかく写真を撮りに撮った。
2度目は、キリシタン燈篭を探してみましょう、をテーマに。
そして、3度目。 もちろん、燈篭もですけれど
それぞれの茶屋建築に
春夏秋冬の性格をあじわってみましょう、と。
余裕をもってゆったりと、と思っていましたが
それでも 結構写真を撮りました
訪れるたびに 新しい発見があります。
また、ご案内の方の解説も三者三様。
受け取る側の感じ様も 人の数だけ。
作庭家や建築家の意図を尊重するのは勿論ですが
1つの風景から それだけたくさんのありようが浮かぶなんて
ロマンティックです。
伝統保存協会の冊子には 非公開の
書院の内部も解説されていますが
これがまた すばらしい意匠の宝庫。
公開されていないのは残念ではありますが
市松や探幽を拝見して思います。
公開することで
本来の色が変化してしまっているようで
わたしたちが恩恵を享受するのと
ひきかえでもあるということを 心にとどめ
参観できることに 感謝の気持ちでいっぱいになりました。
4度目は ?
また、きっと訪れるような気がします。
うーーん 今回は雨ではなかったけれど。
やっぱりぴかーーんと晴れた日の
季節の違う桂も、また歩いてみたいですもの。
参観申込~ 桂離宮・仙洞御所(2015) ★
■ 桂離宮
古書院御輿寄前
「真の延段」と「関守石」
京都府京都市西京区桂御園