2016年 11月 23日
若冲 ~相国寺承天閣美術館・京都市美術館~
伊藤若冲に逢いにゆく。旅のテーマに 最初に向かったのが 相国寺、特別拝観の開山堂庭園。 夕暮れ時、色づきはじめたもみじと 美しい枯山水を楽しみました。 こちらの御本堂には 円山応挙の杉戸絵。「芭蕉小狗子図」これは見逃しそうなところにありますので。もう最高に愛らしい小狗たちに きゅんきゅんしました !
隣接の承天閣美術館で6か月にわたって開催されている『伊藤若冲 展』
見どころは 若冲が永代供養として奉納した 「動植綵絵30幅」(コロタイプ印刷) を一堂に展示。鮮やかな「釈迦三尊図」3幅を囲むような展示方法が圧巻でした。 『十牛の庭』を窓越しに眺めつつ次なる展示室へ。
照明をおとした展示室では 鹿苑寺大書院旧障壁画50面。 塔頭でもある金閣寺を臨む茶室「夕佳亭」せっかてい の再現に逢うこともできます。
一体、今回の旅で 若冲の鶏を何羽みたか。鮮やかで3Dのように飛び出してくるような若冲ワールド。解説を読むとさらに理解が深まりました。 来年の干支は酉、でしたよね。鶏図に目が肥えてしまったかも(笑
と、同時に「鯉図」 も、たくさん拝見しました。 鯉は男の子の成長を願う象徴でもありますね。ですから、鯉図を依頼するご家庭も多かったとか。 「鯉が龍に成長する」=「立身出世」 という解説も。えっ ?! 鯉、とか 龍、とか。 なにかと勘違いしてしまいそうです。
相国寺は、見どころ満載。 若冲さん目当てで来させていただきましたが、秋の特別拝観で公開中の法堂では 天井画蟠龍図の鳴き龍体験でしっかり鳴いていただき 釈迦牟尼仏様にご挨拶、方丈では 原在中の『白象図』を若冲と勘違いする一幕も。
襖絵、方丈庭園とどれをとっても一日いられそうなのに 今は若冲展なのでしょうか。 そちらに人が流れていたようで、お庭はゆったりと堪能することができました。 これまた、しあわせな時間。
御朱印も「若冲」ヴァージョンをいただいてきまして 鯉図、でした。
と、いうことで 美術館も閉館までたっぷり時間をかけて 鑑賞いたしました。
帰り道、法堂に 月が出た出た。
つづきまして、翌日 京都市美術館へ
「群鶏図障壁画」にはじまり、若冲作品の数々を堪能。 注目していた滋賀・義仲寺所蔵の「花卉図」(天井画)も 拝見叶いました。 やはり若冲さんの花鳥風月、花卉図には心奪われるものがあります。 キッチュな、鶏図や猿図、蟹図、鼠図、百犬図 、髑髏図... などにすっかり馴染みましたけれど、彼らの小さな瞳に宿るものは 若冲さん自身の心眼かしら、とも思えてきた今回の美術館巡りでした。
展示室を出てホッと一息。上を向いて歩こう ♪ 天井に散りばめられたステンドグラスの光。こんな素敵な空間、以前訪れた時は気づかなかったけれど。
宝蔵寺 の至宝と合わせて 秋の京都旅 若冲さんを堪能いたしました。
▼ 京都市美術館
「若冲の京都 KYOTOの若冲」
平成28年10月4日 - 12月4日
▼ 相国寺 秋の特別拝観
法堂 方丈 庫裏 開山堂 -12月15日迄公開
▼ 相国寺 承天閣美術館
「伊藤若冲 展」
平成28年7月1日ー12月4日
ご訪問ありがとうございます。
そうですね、ヒントは「上を向いて歩こう ♪」です。おまけ、「吹き抜け」。くれぐれもお足元にはお気をつけくださいね^^