2016年 12月 17日
薪火 ~焼き芋の季節、コナラよありがとう
前回は、3個。この時は、薪火のご機嫌がすぐれなくて、トップの温度が100度を越したぐらい。そうなると、焼き芋さんも今ひとつ。外側がパリッと香ばしく、中がしっとりホクホクになるには 200-300度。250度あたりがよいようです。薪の番人におまかせ状態。
薪エネルギーは、おもに広葉樹のコナラを使っています。
今年は、大径木を1本、伐採しました。わたしにとって今年、大きな出来事の1つでした。2年前 このお気に入りの大径木が カシナガによるマスアタックで満身創痍となったのでした。いわゆるナラ枯れ、です。そのカシナガが出すナラ菌が道管(導管)を閉塞させて通水障害を起こし、水が上がらず一気に枯れてしまう と平たく説明すればそのような感じだったかと。
こういったことを知らず、対処が遅れてしまいました。あっという間に、枯れるのです。 この木は、どっしりと立派で一番のお気に入り。必ずレスキューするからね、あなたも頑張れとガーデナーが農薬を散布するのとはまた違う経験でしたけれども。 木の根元に向かってドリルで穴をいくつもあけ 導管にむかって薬剤を注入していくという方法をとってみたのが最初でした。
大自然を相手に畏れ多いような気持ちもする一方で、できうるかぎりのこと、思いつくことは何でもやってみよう。そんなわたしたちに 体験談を語ってくださる方がいたり、これを撒いてみては、と活力剤をいただいたり。 おかげさまで、二つの冬を越しました。今春 弱々しくも、新緑を展開してくれた姿には胸が熱くなりました。それが最後の頑張りだったようです。
新梢が展開しはじめる季節は、本当に神々しい。もう頑張らなくてもいい。
彼らは2本立ちで、両方ともカシナガにやられていました。しかし、幸いなことにつがいの1本はなんとかもちなおしているようです。マスアタックのダメージは大きく幹には痛々しい跡がのこっていますが。
「ナラ枯れで生き残った木は、虫を殺す物質を出して再び侵入されても枯れるのを防ぐ」、との興味深い新聞記事を最近、読みました。 山をよく知る人も、カシナガにやられても大丈夫な木がたくさんあるようだ、とおっしゃっています。 大径木は、人間で言えば老齢。「免疫力」というキーワードが浮かびます。 今年も多くのことを、自然から教えられ力をいただきました。
さて、焼き芋。
伐採されたその木は 今 丸太となって乾燥場で待機中。うちにあるどの丸太よりも特大サイズ。 生きる道はここにある。何年か後に薪となり、炎を燃やし 囲む人に笑顔と癒しと、暖を与えてくれる、焼き芋をやいてくれる燃料となり、灰となってまた土に還っていくのですね。 自然淘汰や伐採もサイクルのひとつにすぎないのです。 と、はいえまたそんな木を見つけたらレスキューに奔走するだろうなぁ(笑 わたしたちはこれからも木を植えよう。 街では花を育てよう。 あー、それにしても 美味しかったです ! やきいも。