老松の間より、宍道湖と宍道湖大橋
出雲大社に参拝したのち、松江へ。折しも夒行列(どうぎょうれつ) この日のお宿は、皆美館。夒行列のあとを追うようにお宿に入りました。
床「一期一会」のお軸に迎えられて !
磨きこまれた古い時代の梁や、天井、そして 美しい桟の障子越しにのぞむ宍道湖
眼下には、白砂青松
樹齢300年の黒松を中心に 13本の黒松と2本の赤松が植栽されているそうです
島崎藤村がご子息と5日間の逗留した折
「いっそ松江の人になってしまおうか」と その滞在が印象に残ったという
その藤村が滞在した老松は「藤村の間」とも。そして、文机に和紙のご用意もあり ここで何か書いてみようかなという気持ちに。
藤村直筆の額には
「右はせおの言葉をしるして 松江の宿のあるじにおくる」「昭和二年七月 山陰の旅にきたりし 日]
「やまはしづかにして 性をやしなひ 水は動いて情をなぐさむ」
僭越ながら、備えつけの和紙にこの文章を書写しました。とても美しい日本の言葉、旅の思い出になりました。
温泉の泉質は、美肌の湯のようです ♪
上質なバスローブはガルニエ・ティエボー ふわふわにつつまれてリラックスタイム
同じ階のスパにも行きましたが やはりお部屋の温泉は気がねなくリラックスできるものです。湯あがりにバスローブに身を包んで 縁側でお庭を眺めながら冷えたビールを。月に照らされた庭をながめる至福の時間をすごすことができました。 そして、静寂の時。
松平不昧公の時代からはじまる、出雲流庭園とのこと。 この一角は、親子松といわれ 男松・女松・子松の三本が仲良く寄り添う姿を表現。奥右手の女松だけが赤松でした。 なんともほほえましてくて、幸せな気分にさせられる造形です。そして足元には句碑も。
山口誓子 句碑
「鴨残る 藤村の間に 藤村も」
老松の間はちょうど、松のあるところの長い縁側のあるお部屋 滞在中はあそこに座って景色を眺めてすごしていました。元々は二階建てだったそうです。
夜には、月も
2023 日本庭園ランキング上位5位
1位 足立美術館(島根県/美術館) 2位 桂離宮(京都府/国有財産) 3位 山本亭(東京都/旧個人邸) 4位 皆美館(島根県/旅館) 5位 庭園の宿 石亭(広島県/旅館)『数寄屋リビングマガジン / ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』
日本庭園というのは味わい深いものではありますが、西の庭園はすべてお訪ねしたことがあります。皆美館はこじんまりとした庭園ながら松の手入れがすばらしく 宍道湖を借景としたロケーションもさることながら、湖畔に佇む庭と 水面に映る景色が刻々と変化してゆく様、こころが動かされるものでした。そして多くの文人がそこに集っていたという熱きエネルギーの残像もあわせて。
朝、しじみ漁に向かうのでしょうか、何艘もの小舟がゆきかう様子を縁側から眺めていました。 部屋には立派なテレビもありましたが一度もつけることなく。
お食事編へと続きます